体臭に関する悩みを抱える人は多く、時には深刻な悩みにもなってしまいます。ワキガに関しては医療の進歩によって昔に比べても簡単に手術することができるようになりました。
ただ、足の臭いの場合はワキガとはメカニズムが違うので、同じ治療で対応することはできません。
足の臭いは手術で治るのか?ということですが、基本的に足の臭いを改善するための手術は今のところありません。足汗を止めるための手術はありますが、デメリットもあるので知っておく必要があります。
ワキガと足の臭いは違う!?
まず同じ体臭といってもワキガと足の臭いはメカニズムも違うので対処法も違ってきます。
ワキガはアポクリン腺という汗腺から出る汗が酸化されることでツーンとした臭いとなってしまいます。アポクリン腺は誰にでもあるものですが、その数は生まれつき決まっているので、ワキガは遺伝的な要因が大きいとされています。
それに対して、足の臭いはエクリン腺という体温調節の役割がある汗腺から出る汗が原因となります。このエクリン腺から出る汗はほとんどが水分で、汗自体の臭いはほとんどありません。
しかし、この汗によって角質がふやけてしまったり靴がムレてしまうことで雑菌が繁殖してしまい、臭いが強烈になってしまいます。
ワキガの手術
ワキガの原因であるアポクリン腺は手術によって取り除くことができます。ただ、アポクリン腺からでる汗はフェロモンの役割もあることから、完全に取り除いてしまうことに対しては賛否両論あり、すべてを取り除かなくても数を減らすという選択をすることもできます。
ワキガの手術には非直視下手術法や直視下手術法といった方法があり、やはり治療費もある程度はかかってしまいます。
足汗を止めるための手術
足の臭いを直接的に改善するための手術はありませんが、足汗を抑えるための手術ならあります。特に足の多汗症である足蹠多汗症の場合、足の裏の汗を減らすことができれば、それだけ雑菌が繁殖しにくくなるため、臭いも軽減される可能性があるのです。
その手術は「腰部交感神経切除術」や「腰部交感神経節ブロック」と言われ、足裏の汗腺に関係する交換神経を電気メスで切ったり、ブロック針を刺して薬液を注入することで足裏の汗を抑えることができます。
手術のデメリット
足裏の汗が抑えられる反面、この手術には大きなデメリットがあります。
それは、代償性発汗と言われ、足裏の汗の量が軽減される代わりに体の別の部位から多くの汗をかいてしまう副作用で、手術を受けた人の中でもほとんどの人にこの症状が現れています。
この症状のせいで、神経を繋ぎ治す手術をするという人も中にはいます。
もう一つは、この手術は難しく、他の神経を傷つけてしまうといったケースもあり、男性の場合だと射精障害が起こってしまう可能性も考えられます。
このように、ワキガの手術は比較的手軽に行う人も増えてきましたが、同じ体臭でも足汗のための手術となると高額なうえに副作用のデメリットが大きく、汗が改善されたからといって必ず臭いがなくなるというわけでもないため、個人的にはお勧めはしません。
手術を行う場合はこのようなデメリットをしっかりと把握する必要があり、手術以外の多汗症の治療としては、薬物療法やボトックス注射などがあります。
手術をせずに臭いを改善するには
足の臭いはワキガとは違い、遺伝要因ではなく環境に原因があることがよくあります。まずは臭いの根本的な原因である雑菌対策をすることが大切です。
そのためには、雑菌のエサとなる角質をキレイにしたり、足裏の汗を抑え、殺菌消臭してくれる市販のデオドラントクリームを活用することで対処していきましょう。
まとめ
足の臭いはワキガとは違い、直接的に治すための手術はありません。足の多汗症を改善するための手術はありますが、それは人間が本来持っている機能を一つ失うことになるので、大きなリスクがあります。
まずは制汗・殺菌など適切なケアを行っていくことでニオイを改善していくことをおすすめします。